教室のドアのすりガラスに映る紫衣の姿。



「バイバイ」


震える声でみんなに告げている。





無理するなよって抱きしめたら紫衣は俺の腕を払いのけるか?




こんな時にわかったんだ。



遅いけど遅すぎるかもしれないけど.....。




俺の守りたい女は紫衣。




お前だけだ。






真衣は俺にとって刺激だった。


優しく控えめな紫衣に足りなかった刺激、それを真衣が俺に与えてくれた。





でもこの場で俺が抱きしめて涙を拭ってやりたいのは紫衣。




真衣ではない紫衣なんだ。





許してくれなくてもいい。


別れるって言われても受け入れる。





だけど今流している涙は俺に拭わせてほしい。