シャワーを勢いよく出して水音を響かせる。
よく頑張ったよね?!
だからもう泣いてもいいでしょ?
彼の前に出る頃には笑顔を作るから、今はいいよね?
我慢していた涙はシャワーと同じように勢いよく溢れてきた。
水音でかき消される安心感で嗚咽混じりに彼の悪口を口にする。
「嶋田さんの弱虫ッッ!!」
「私を子供扱いしないでよッッ!!」
「好きなら抱きなさいよッッ!!」
「好きなのに…好きなのに悲しいじゃないッッ!」
ヒックヒックとしゃくりあげながら、たくさん言葉を吐き出すと気持ちが少し晴れた気がした。
私って単純だよねって最後に呟いてからシャワーを終えた。
サッと着替えをすませて部屋に戻ると嶋田さんはコーヒーを一気に飲み干して座っていたソファーから立ち上がったんだ。
「ごめんなさい、お待たせして…。」
彼の行動にビックリしたけど道を譲るようにドアの前から体をよけると彼は私に近づいて言ったんだ。
「弱くはないよ…?」
いえいえ、知っていますとも…
嶋田さんが強いなんてみんなが知ってる事ですよ?
キョトンとして首を傾げる私の頭をポンポンと軽く叩きながら彼はドアをくぐり抜けて、そのドアを閉めた。


