「何もないよ。ごめんなさい。」


ポロポロと涙が零れ落ちた。


わかってたつもり…。
大人ぶってたんだよ私…。


「芽衣、俺が好き?」


「うん…。」


「だったら話してくれないか?」


「いいの。もうこれからは絶対にこんなことしないって約束します。」


「それじゃダメだ。」


「欲張りなんです私。」

「俺もだよ。」


芽衣が嫉妬してくれて嬉しかったって嶋田さんらしくない言葉が聞こえてくる。


「面倒だって思わないの?」


思わず聞き返した言葉に嶋田さんは苦笑いを浮かべて話してくれた。


適当に女の子とつき合ってきたことも、束縛や嫉妬を面倒だと感じてきたことも。


「だけど、本気で好きになった女の束縛や嫉妬は嬉しいもんなんだぞ」


耳まで真っ赤に染めてボソボソと呟く嶋田さん。

ビックリして言葉を失った私にらしくないよなって言葉を落とした。