いつも録音して何度も聞きたいって思うくらい大好きな声なのに今はその声で凍りついたように動けなくなった。
どうして?
どうしてここにいるの?
「芽衣!」
普段は優しく芽衣ちゃんって呼んでくれるのに、怒ってるから?
掴まれた手首も痛い。
嫌われたくないよって思うのに素直になれない私は彼の手を振り払ってマンションから飛び出した。
「待てよッッ!」
走りだそうとしたところを今度は彼の腕に包まれるように抱きしめられて動けない。
「おてんばな猫だな」
溜め息と一緒に言葉が落ちてきた。
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