いつもなら嶋田さんが輪の中から出てくるのをおとなしく待っていたけど…



帰ろう。


先に帰りますって小さく呟いて彼に背中を向けた。





ポロポロと零れ落ちる涙を拭うのも忘れて足を進める。


心配かけちゃうかな?

急にいなくなって少しは焦ってくれるかな?

理由聞かれたら何て答えようか…。



離れても頭の中は彼のことばかりで切なさが増したんだ。



駅に着く頃にはスッカリ泣きやんでいた私は、トイレに直行した。


泣いたからメイクは崩れてて、酷い顔。


シートタイプのメイク落としで綺麗に拭って、すっぴんのままトイレを後にした。


化粧する気になれなかったんだ。


どうせ家に帰るだけだしね。


嶋田さんの為の努力も今日、今から少しの時間はお休みしよう。


彼につりあう女になるための努力


今日は出来ないよ…。