キスが激しすぎたのか肩で息をする紫衣。
俺の紫衣。
俺だけの紫衣。
「格好悪いの承知で聞くけど良君って誰?」
自嘲気味に呟いた言葉。
「へ?」
突然ふられた話に紫衣は素っ頓狂な声を出していた。
そして少し考えた後紫衣はキッパリとした口調で言ったんだ。
「元カレです。」
モトカレ??
紫衣にモトカレ?
一瞬に俺の思考はフリーズした。
「付き合っていた人のことって元カレじゃ間違いなんですか?」
戸惑う俺に不安そうに紫衣の言葉が掛けられた。
不安にさせてはいけないと思うのに俺は大きな溜息をついてしまった。
現実を受け止めきれない。
無垢で真っ白な紫衣。
そんな彼女に過去に男の存在があるなんて想像もしていなかった。
それは俺の勝手な考えだってわかっている。
だけど悔しいんだ
頬を真っ赤に染めた紫衣。
はにかんだ笑顔。
そんな可愛い紫衣をソイツは側で見ていたのか?
柔らかい唇。
俺もまだ触れたことのない滑らかな肌
俺以外の男が彼女に触れたのかと思うと嫉妬で狂いそうだった。


