「フフ..紫衣が言ってた通りの人なんだね。ずっとずっと色んな本を読みながら怒ってたんだよ。それはホント自分のことのようにね。」


「うん、見てた。」


「私も一度逢ってみたいなー。素敵な人なんでしょう?逢いたーい!!」


「とっても素敵な人だよ。私も大好きなの。」


「キャー益々逢いたくなるようなこと言わないでよ!!」



二人の会話に俺と嶋田の肩がピクリと揺れた。



聞き捨てならないな...。



紫衣には三成のこと意外に良君とやらの話しも聞かなきゃいけないな。





そんな俺たちの空気を察したのか紫衣は俺と嶋田を見て肩を小さく揺らした後、俺たちに背を向けて座っている芽衣ちゃんに目で訴えている。


その必死な様子が俺には可愛くてしかないんだ。


でもここはそんな可愛さに誤魔化されたりはしない。


ちゃんとお仕置きしてやるからな!!


覚悟してろよ。




「明日、佐和山に行こうか?三成に逢えるかもしれないでしょう?」


彼女の必死な目配せも芽衣ちゃんには通じなかったのか?

なんとも挑発的な彼女の言葉に嶋田の肩が大きく揺れた。


困ったように返事を返す紫衣を見てピンときたんだ。


芽衣ちゃんは嶋田を妬かせるためにわざと言ってるんだって気付いたんだ。



「じゃ決まりね。明日は愛しの三成様に逢いに行くツアー決行だねッッ!!」



だけどやりすぎだ芽衣ちゃん。


嶋田の奴、マジになってる。


知らねぇぞ...コイツに火つけちまったら...










まぁ俺には関係ないけどな。