「素直じゃないなー!
まったく.....。」
黙り込んでしまった二人の間に入るように俺は言葉を落とした。
「ありがとうでいいんだよ!みんなありがとうでいいだろ。」
「ありがとう?」
「そう!俺は生かしてくれて、紫衣に出逢わせてくれて三成にありがとうだ。」
「私は...ずっと見ていてくれてありがとう、それから石野さんと出逢わせてくれてありがとう.....それから、それから.....。」
涙で言葉を続けることの出来ない紫衣。
そっとその頬に流れる涙を拭ってやる。
おいッ!!
お前もだよ。
大体お前が泣かしたんだろうが!!
紫衣を抱きしめるなりなんなりして慰めてやれよ。
俺は....
見ない..ようにするからよ...。
「ありがとう...紫衣。俺を支えてくれてありがとう。」
池の中央から紫衣のすぐ隣に移動してきた三成は紫衣の頭を優しく撫でていた。
お前、そんな顔も出来るんだな。
なんだよ...。
そんな優しい表情も出来るんだ。


