「どうしてだか俺にもわからない。だけどここは紫衣が住んでいた世界を映してくれるんだ。」


三成が見せてくれているのかな?って首を傾げてみせた。



「三成はきっと自分の完全な転生を諦めて俺を助けてくれたんじゃないかと思うんだ。
俺の魂は生まれてすぐ消滅する運命だったんじゃないかな。魂の抜けた体は三成のものだったんだろう。」


そうなんだよな三成。

だから俺もお前の幸せを願わねぇ訳にはいかないんだよな。



「そんなこと言わないで。」


首を横に振りながらポロポロと惜しげもなく涙を流す紫衣。


愛しいよ...。


本当に狂いそうなくらい紫衣が愛しい。




「三成はきっと俺を見捨てることができなかった。だから自分の半分を俺に注ぎ込んだんだと思う。残った半分で紫衣を見守っているんだと思う。そして俺たちは出逢ったんだ。」


そんなんだろう?


なぁ....。



「そうなんだろう?三成。」


腕組みをしながら俺と紫衣をジッと見つめている三成に視線を合わせて言葉を落とした。



「つまらない奴だ。」


「それは俺の話が正解ってこと?」


「.......。」


「そう睨むなって、それより紫衣に何か言ってやれよ。」




紫衣は三成の姿を見て固まったように動かない。

もう...

引き返せない。


彼女が選ぶ道を俺も受け入れなければいけないんだ。