──ひとまず移動を始める事にしたベリルたちは各々、車に乗り込む。

「心強いですわね」

 ミレアは後ろを一瞥し微笑んだ。

一癖(ひとくせ)二癖(ふたくせ)もある連中(れんちゅう)だが、腕は確かだ」

 守りを固めたとはいえ、相手の正体が掴めない現状では不安が残る。

「このまま続けば、こちらが不利だな」

 目を眇める。

 攻める側にならない以上、守りばかりのこちらは明らかに不利の状態だ。

 向こうの情報を少しでも得られれば、そこから活路を開くことが出来るというのに。

 いつまでこの状態を続けなければならないのか。