「いいのか?」

 ジェイクがいぶかしげに問いかける。確かに尋問への対策は訓練されているかもしれないが、痛めつければ吐く可能性だってある。

(とら)えろと命令はされたが、その理由まで聞かされてはいないのだろう」

「下っ端なんて、そういうもんか」

 なるほどとジェイクは小さく唸った。

 彼らが失敗し、命を落としたとしても組織自体にさしたる支障はない。そう考えれば、彼らの組織はそれなりの規模であることが見えてくる。

 ベリルは溜息を吐き、ピックアップトラックのそばでこちらを窺っているミレアを見つめた。

 彼女が何を持っているのかは解らないが、組織自体に関係しているものでは無いらしい。

 ではなんだ──?

「上の人間が、彼女を必要としている?」

 口の中でつぶやく。