Marvelous mercenary-マーヴェラス・マーセナリィ-

 
 寒いと思えるほど低温に設定されている冷房の効いたガラス張りの部屋が奥にあり、幾つものサーバが棚に詰まれている。どうやらここはデータ室のようだ。

 全体に大きい部屋ではない。サーバはここだけでなく、別にサーバだけが置かれた部屋もある。

「これはキリア様。もうお仕事は終わったのですか?」

 部屋にいた白衣の男は、入ってきた彼に丁寧に挨拶をした。

「うん、無事にね。十人ほど殺してきたよ」

 しれっと答えてイスに腰掛ける。

「何を見ているのですか?」

「ん。次のターゲットかな」

 足を組み、紙切れを眺めつつマウスを動かした。ディスプレイはそれを確認するように画面を映し出す。

「どうも厄介な奴らしくてね。セラネア様から、直々(じきじき)にお達しがあったんだよ」

「ボスから、ですか」