──別の場所
「ベリル・レジデント?」
二十代後半の男は、手にある紙切れを煩わしそうに見下ろし狭い通路を歩いていた。清潔に維持されている建物は、まるで病院や研究所を思わせる。
用途のみに特化した飾り気のない通路は、男とすれ違う人々に表情すらも与えない。行き交う者の顔色は皆、一様にどこか冷めている。
伝わる閉塞感から、ここはおそらく地下だろう。
「ふうん」
背中までの金髪を後ろで束ね、吊り上がった青い瞳を細める。
百八十センチの細身の体を揺らし、目的の部屋の前で立ち止まるとセンサーが反応してスライドドアが静かに開いた。
薄暗い部屋には低い電子音が常に響いていて大小、様々なディスプレイとコンピュータが並べられている。



