「うおぁ!?」

「うわっ!?」

 男たちは強烈な光と音で真っ暗になった視界に慌てた。装着していたゴーグルが強い光に反応して自動的にオフになったのだ。

 ベリルが使ったのは、閃光手榴弾(せんこうしゅりゅうだん)と呼ばれるものだ。

 敵が目の前にいるというのに──思わず外したゴーグルが、いつの間にか手の中からなくなっている。

「なんだ!?」

 装着したままだった男の顔からも、するりとゴーグルが外されていく。

「くそっ!」

 焦った男の一人がハンドガンの引鉄(ひきがね)を絞った。

「やめろ! 車の中の奴が気付く!」

「閃光手榴弾の時点で気が付くと思うがね」

「うっ!?」

 ベリルは叫んだ男の背後に回り込み、静かにナイフを突き立てる。