緊張しつつも合図を待っているとふいに、

「本気で寝ているとは考えていないのだろう?」

 倒すべき目標が瞼を開き不適に発した。

「っ!?」

 男たちは驚いたがすぐに体勢を立て直し、ベリルはそれに口角を吊り上げる。

「そう構えるな」

 冗談なのか本気なのか解らない返しに、男たちは戸惑う。

 銃口を向けられ囲まれているというのに余裕な素振りとは、恐怖でおかしくなったのか、それとも本当に余裕でふざけているのか。

 しかしふと、ベリルの手にあるものに気が付いた。

「せん──っ!?」

 気付くのが遅すぎた。言い切らずに辺りはまばゆい光と激しい音に包まれる。