ライフルなどに比べれば威力は低いけれども、複数を所持出来て隠し持てるハンドガンは、ベリルにとって自身の特性を大いに活かせる重要なアイテムだ。

 ミレアが見ていた様子では、ベリルはまだ他にも武器を持っていそうだ。しかし、その二つの手入れだけで終わった。

 そういえば、ナイフの手入れは昨夜にしていたなと思い出す。

「このままカーナビの通りに走っていいのか?」

 不安になったアレウスが問いかける。ナビの経路は大きく道を外れて目的地までの道程(みちのり)を示していた。

「そうだ」

 無表情に返し、背もたれをやや傾けて背中を預けた。

「少し眠る」

「寝るのですか?」

「なんでだ」

「敵が次に狙うなら深夜だ」

 説明し、眠りにつくため瞼を閉じた。




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頸兵(けいへい):(1)強い兵。(2)強い武器。