「こちらはほとんど使う事は無いんだよ」

「それなら、どうして持っているのです?」

「オートマチックは時折、弾詰まりを起こす事がある。そんな時に、こちらを使う」

 リボルバーがそれらをまったく起こさないという訳ではないが、オートマチック拳銃に比べれば格段に安心ではある。

「なるほど、そうなのですね」

 もしものときのためのもの。それを考慮しているベリルに感心した。

「そこまで考える者は少ないがね」

 無駄に思慮深い自分に皮肉を込めて肩をすくめる。

 ハンドガンは小型とはいえ、軽いものでもない。持ちすぎれば動きが鈍くなり迷いが生じることもある。

 故にそれらを持つにも、それなりの経験や慣れが必要だ。