「ミレア様はまだ、十七歳だ」

 ベリルはそれに少女を一瞥した。

「本来ならば、外に出た仲間の所に一度、身を預け世界を知る。俺もそうだった。だが、ミレア様はそれが出来ない」

「彼女の地位のためか?」

 アレウスは無言で頷いた。

「ミレア様は、我らを統率する者の血筋だ。それを護るのが俺の一族。だから俺は数年、外の世界を知ったあと、郷に戻ってミレア様に世界をお教えした」

「なるほど。それでお前たちに違和感が無かった訳か」

「正直、お前がいて助かった」

 思ってもみなかった言葉にベリルは頭を上げる。