少女を見下ろす、落ち着き払った面持ちは「何も心配する事は無い」と語りかけているようだった。

「私が怖くはないのか」

 今までの自分の表情を悟られていた事にミレアはハッとする。

「──だから、余計にそう思うのかもしれません」

 わたしは戦いという雰囲気に慣れている訳ではないので、とても怖いです。

「その中で、あなたは淡々と戦っている。それが、とても怖い」

 けれど、よく考えてみれば、それが勝つための要素でもあるのですよね。感情的になっていても勝てる訳じゃない。

「あなたは、わたしたちの命も背負っているのですから」

 それなのに、怖いだなんて失礼なことを考えてごめんなさい。

 身を縮こまらせて顔を伏せる。