「それが、失敗の理由だとでも言いたいのか」

 言い訳としか思えない言葉に部下の男を睨みつけた。

「そ、それは──っ」

 怒りを込めた声色に体が強ばる。もはや、何を言っても殺されるのではないかとさえ思えた。

「まあいい。次は失敗するな」

「は、はい。それではセラネア様。失礼いたします」

 ホッと一礼し、部屋をあとにする。

「我の偉大なる計画を邪魔する者は、何人(なんぴと)たりとも捨て置けぬ」

 低く、冷たい声でつぶやいた。