「ベリル・レジデントと言う輩(やから)です」

「こやつが我(われ)の邪魔をしているのか」

 部下と見られる男には目も向けず、片肘を突きディスプレイのベリルを睨み付けた。

「何者だ」

「どうやら、傭兵のようです」

「傭兵?」

 男は顔をしかめて、説明している部下に静かな怒りを込めた視線を送る。

「たった一人の傭兵ごときに、貴様たちは何をしている」

「も、申し訳ございません」

 刺すような眼差しに恐怖を感じ目を泳がせた。

「何故こんな傭兵ごときに──」

「年齢は二十五歳。その類(たぐ)い希(まれ)なる戦闘センスから、素晴らしき傭兵と仲間たちの間では呼ばれているそうです」

「ほう?」

 関心を寄せるように、次々と映し出されるベリルの画像に目を眇める。