青年はその鮮やかな赤い髪と瞳に初めて見る色合いだと関心し、少女はその整った容姿と鮮麗な緑の瞳に思わず見惚れてしまう。
「大事ないか」
受け止めた感じから華奢な女性だと考えてはいたが、幼い顔立ちにまだ十代なのかと納得した。
十代後半だろうか。どこかの上流階級の家の出なのかもしれない。ぱっと見でも解るほど品のある面持ちをしている。
何かに怯える目で青年を見上げ、目立つ赤い髪と瞳を隠すように地味なローブを着込んでいた。
少女は青年のかけた声にも反応できないほど、彼の容姿に釘付けになる。
目が合った瞬間は多少の驚きはあったのかもしれないが、中性的な面持ちに感情はあまり見られず、切れ長の瞳に上品な鼻筋と薄い唇、まとっている存在感までもが青年を美しく彩っている。
これほど優美な男性がいるのかと、息をするのも忘れて見入ってしまった。