「アレウス」

 その呼びかけにハッとして、驚いている場合じゃないと自分の仕事とばかりにヘリを見つめる。

「こっちに来るぞ」

「攻撃するつもりだろう」

「ライフルを持ってる」

「奴らが必要なのは彼女だけだ」

「おい。やばいものがヘリに付いてるぞ」

 ヘリの脇には、いくつもの長い銃身が円形に組まれている物体が据え付けられている。マシンガンというやつじゃないのか。

威嚇用(いかくよう)だ。車にへばりついていれば使われる事はない」

「きさま──」

 ミレア様を盾にするつもりかと怒りを覚えるも、それが一番の方法かと納得がいかないなりに黙り込む。

 ベリルはスコープを覗き、目標のヘリに照準を合わせた。