──小一時間ほどして、出来上がった料理を前に二人は目を丸くした。

「どういった料理なのですか?」

「ヒラメのムニエルとコンソメスープ」

 ベリルはそれに答えつつ、バスケットに盛られたブレッドを一つ手に取り薄めに切り、ガーリックバターを軽く塗った。それをトースターに入れてタイマーをひねる。

「冷めないうちに食べてくれ」

 そう言われ、二人は白い皿に乗せられている料理をじっと見下ろす。

 ハーブと調味料などで味付けし、小麦粉をまぶしてフライパンで焼いた白身の魚に酸味の利いたソースをスプーンでひとまわり落としてパプリカ、ブロッコリー、グリーンアスパラガスの炒め物を彩りよく添えている。

 ムニエルの隣には小さなオムレツが並び、トマトソースが少しだけかかっていた。

 コンソメスープは、みじん切りのタマネギに溶き卵、アクセントにイタリアンパセリ少々と小さく切った鶏肉が入っている。

「美味しい!」

 ひと口食べたミレアが目を輝かせた。

「それは良かった」

 そう言ってガーリックトーストを追加する。アレウスに目を移すと、とても悩ましい表情でスープカップを見つめていた。

「お前。本当に傭兵なのか」

「いつまで言うつもりだ」

 呆れて眉を寄せた。





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(すべ)よく:さっぱりと。手際よく。