「ジェイク」

<ベリル! お前、本当にベリルなんだな!?>

「私の事は皆、聞こえていたと思う。まあ、うろたえても仕方がない。これからもよろしく頼む」

 苦笑いを浮かべて目を閉じ深く息を吸い込むと、慎重に言葉を紡いだ。

<おぅ!>

<お前がお前のままなら、それでOKだ>

<よろしくな!>

<仕方ねぇな~>

 口々に返される声に小さく笑んだ刹那、扉の方から爆音が響いた。

「ベリル!」

 分厚い扉が大きな音を立てて倒れ込み、姿を現したクライドがベリルたちを見つけて駆け寄る。

「やっと開いたぜ」

 床に転がる扉を憎々しげにつぶやいた。