「ごめんなさい」

 私は、使ってしまった。最もそれを望まないあなたに、永劫の苦しみを背負わせてしまった。

「自分を責めるな」

 何度も詫び言を繰り返す少女に、いつもの静かな口調で応えた。

「──ベリル」

 どうしてあなたは、そんなにも全てを受け入れられるの? どうして、そんなに優しいの?

 私は、己の犯した過ちを責められなければならない身なのに。あなたは、そんなわたしを赦してしまうの?

「こ、殺せ。奴を殺せ!」

 命令を受けたキリアは、ゆっくりと立ち上がる。鋭い眼差しから伝わる殺意が、ピリピリとベリルの肌を焦がした。