Marvelous mercenary-マーヴェラス・マーセナリィ-

 
 調理道具はひと通り揃っているし、賞味期限の長いスパイス類も棚に並んでいるけれど、肝心の食べ物は一切、置いていない。

 唯一、見つけたのは乾燥パスタくらいだった。

 山奥にいたにしてはアレウスの動きに違和感が無いのは、彼らはある程度の年齢になると集落を離れ、世界各地に移り住む風習があるためだ。

 アレウスは世界を知るため、十三歳で外に住む仲間の元で数年を過ごしたのちに、ミレアの世話役として故郷に戻ってきた。

 十七歳になるミレアはアレウスが見てきたものをよく聞き学び、外の世界を知る。

 外で仕事に就き、稼いだ金で物資などを買い郷に送る。そうして、年齢を積むと集落に戻ってくる。ときには、そこで知り合った人間を連れてくる者もいた。

 しかし、科学はすさまじい発展を遂げている。

 各家電の多様性も相まって、アレウスにも解らない部分がいつくかあった。