人類の夢である不死が本当に良いものかどうかなど、誰にも解らない。

 死ぬ事が出来ず、嘆きのままに生き続けなければならない苦しみを考えたとき、彼らは使ってはならないと決断したのだろう。

 どれほどの重責を、彼らは背負ってきたのか。ミレアは背負ってしまったのか。追われる理由を言えなかったのは当然だ。

 残念だが彼女を救いたくても、私にはもうその力は残されていない。

「さあ。我に力を示せ」

「うっ──誰が、あなたに、など」

「お前が死んだとて、力は次に受け継がれるだけだ」

「っ!?」

 この男はわたしの家族を、一族を殺していくというの? こんな力のために、多くの命を奪っていくというの──!?