幼少の頃から鍛え続け、ようやくここまでたどり着いたというのに、こいつはたったこれだけの時間で追いついてきた。それが、どれだけ腹立たしいことか。

 それと共に、本気で殺し合える相手がいた事に驚きと悦びを感じていた。

「ク、クク。お前を手なずけることが出来なくて残念だよ!」

「──っ」

 激しい殺意にベリルは眉を寄せる。

 これほどまでに闘いを求める相手は初めてだ。そして、ここまで執拗に黒い感情をぶつけてきた者も、初めてだった。

 キリアがどういう生き方をしてきたのかは解らない。だからといって、情けを掛ける余地などベリルにはなかった。

「うっ」

 キリアは刃を交えるたびに、手に伝わるベリルの感情が徐々に失われていく感覚にぞくりとした。

 このままでは負ける、それだけは認めない。