ぱっと見では気付かないが、あちこちにセンサーやカメラが設置されている。至って普通の家に思えてしかし、この家は普通じゃない。さながら小さな要塞だ。
こいつは一体、何者なんだとアレウスはますますベリルに疑念を抱いた。
「食べたいものはあるか」
「食べたいもの。ですか?」
水の入ったグラスを受け取ったミレアが聞き返す。
「ここは別宅のようなものでね。まだ食料がない」
しばらく滞在する予定でいたためその買い出しにと、散歩しつつ店に向かっていたところにミレアたちと遭遇したという訳だ。
「あまり歩き回るなよ。すぐ戻る」
念を押し、玄関に向かった。扉が閉まった音を確認したアレウスは、さっそくキッチンに入る。
「本当に何も無いな」
冷蔵庫を開けて溜息を吐く。



