──その光景をモニタールームで眺めていたジェイクは、ヘッドセットに声を荒げる。

「早く突入してくれ!」

<だめだ! 鍵がかかっている>

 クライドが扉に体当たりするも、頑丈な扉はピクリとも動かない。ベリルとアレウスが入ったあと、扉はぴしゃりと閉ざされて開くことが出来なくなった。

「パイナップル(手榴弾の一種の愛称)は!?」

 クライドは苛ついて、隣にいる仲間に語気を強めた。

「この扉には利かない」

 こいつは特殊合金製だ。

 問いかけられた仲間は苦い表情を浮かべる。

「じゃあ、C-4(シーフォー)は」

 それにも頭を横に振った。

「扉の周りを爆破すればいい」

「それだ!」

 仲間たちは直ぐ準備に取りかかった。

 ジェイクはそのやり取りに奥歯を噛みしめ、デスクに拳を叩きつける。感じていた違和感はやはりそういう事だったのかと、今頃気付いた自分に腹が立つ。

 あの部屋だけは特別なんだ。セラネアが己を誇示するために特別に造らせた。

「くそ。こんなもの造りやがって」

 ディスプレイを眺め悔しげに舌打ちした。