Marvelous mercenary-マーヴェラス・マーセナリィ-


 ──しばらくして、住宅が立ち並ぶ地域に入っていく。緑に囲まれた住宅街は、晴れた空に爽やかな雰囲気をまとっていた。

 速度を落として進む車は、ふいに一件の家の前に止まる。玄関へと続く石畳の通路の右には小さな芝生の庭が拡がり、左には立派なガレージがある。

 オレンジレッドのピックアップトラックは、独りでに開いたシャッターからガレージ内に滑り込む。

 ガレージの後方には扉があり、そこから直接、家に入ることが出来るようになっている。

 握り玉タイプのノブを数秒ほど握ると、微かにカチャリと音がしてベリルがノブをひねると扉が開いた。

 アレウスはそれに目を眇め、最後に扉を閉めるとまたカチャリと音がした。オートロックなのは解るとして、鍵を差し込まずに扉が開いたのは何故なのか。

 入るとすぐにリビングで、二人をソファに促したベリルはそのまま、そこからつながるダイニングに向かった。