──ジェイクは天井にあるパイプを見ながら歩を進める。
「配線は合っているか」
すでに五月蠅い警報は切られ、敵はまとまりつつあった。
しかし今更まとまった所で、全ての入り口から侵入しきったこちらに即座には対応出来はしないだろう。敵は鳴り響く銃声と複数箇所の戦闘に、どこから手を付ければいいのかすら解らない状態だ。
「きっとあそこだ」
仲間の指し示した扉を見やる。なるほど、バリケードを張って抵抗する気は満々らしい。
そこらへんから持ってきたアルミのデスクを倒し、扉を背に囲うように配置されている。そこに、五人ほどが緊張した面持ちでライフルを構えていた。
「泣けてくるな」
「仲間が応援に来ると思ってるんだろ」
「それまでは耐えようってか」
ますますもって泣けてくる。



