<アタック>

 ヘッドセットからの声に西のB班、クライドが手を振ると仲間の一人が基地の入り口に手榴弾を投げた。

 それは爆発し、歪んだ入り口の隙間から耳障りな警報音が微かに聞こえてくる。

 出来た隙間に爆薬を詰め込んで距離を取り、起爆スイッチを押し込むと大きな音と衝撃に扉が吹き飛び、警報がよく聞こえるようになった。

「GOGOGO!」

 クライドのかけ声で、仲間たちはこじ開けられた入り口になだれこんでいく。

迅速(じんそく)にだ!」

 東のA班、ジェイクは仲間に(げき)を飛ばした。

「A班、突入した!」

<Cもだ>

<Dも当然!>

 ヘッドセットに侵入の報告と銃声が届き、ひとまずの段階にベリルは目を眇める。

「警戒は怠るな」

 念を押し、これからが本番だと気を引き締めた。