「決行は一時間後とする」

 威勢の良い返事を耳にしながら空を見やると、陽はすでに昇りきっていた。

 こちらの動きを悟られないためと考えるなら深夜の行動がベストだが、そんな悠長な事を言ってはいられない。

 急いだ方がいいとベリルの勘がそう告げていた。



 ──そうして、割り当てられた入り口に到着した仲間たちはまず、監視カメラをハッキングしてこちらが映らないように細工する。

 もっと時間があれば監視カメラから基地内の映像を映し出すことも出来たのだが、生憎と何も映し出されていない映像を流し続けることしか出来なかった。

 待機するクライドたちは、迫り来る決行の時間を心待ちに各々が腕時計を注視する。

 いよいよ決行、五秒前、四、三、二、──