ベリルは四カ所の×印を眺めて思案した。地下での戦闘は時刻や天候を気にする必要がないぶん、突入時刻に気を配らずに済む。
もちろん、救出を急がなければならないが焦る気持ちを抑えてなるべく万全の準備を心がけた。
敵の領域内で戦うのだ。不利なこちらは、出来るだけの事を予測し考慮しなくてはならない。
「東にA班。西にB、北にC。南にDを。私とアレウスは西から入る」
「了解だ」
仲間たちは一斉に応えてそれぞれに散っていく。
ベリルは走り去るジープを眺め、一人の少女を救うために自分の我が儘で従ってくれる仲間たちに感謝した。
そうして装着したヘッドセットに意識を向ける。



