それを問うたとて、この二人が知っているとは思えない。

 いつしか英語が主流となったと考え、言語についての思考を終わらせる。

 彼らの説明を全て鵜呑(うの)みにするなら、彼女の祖先はかつて王族だったのかもしれない。

 ──そこまでの推測を話したとして、二人はそれに反論はしないだろう。ここまでの話は、彼らの説明をまとめたに過ぎない。

 最も重要である、彼女が狙われている理由を答える気配はまるでない。知られたくないのか、それを知った私が狙う側に転じる事を懸念(けねん)してなのか──

 計りかねたが見捨てる事が出来ない以上、しつこく問いかけて敬遠されても困る。その部分については、いずれ解るだろうと詳しく言及しない事にした。