「お前は我の側にいるのだ」

「ベリルはどうするんです」

 ここにきて俺の楽しみを奪うつもりなのか。あれだけの逸材は、そうそういないというのにふざけるなよ。

「攻撃されますよ。いいんですか」

 苛つく感情を悟られないようにと表情を硬くする。

「ここにいろと言っている」

 セラネアは上目遣いにキリアを睨みつけ、合わせた視線を外さない。

「──なん、だ?」

 絡め取られたように視線を逸らす事が出来ず、微かに手が震え始めたかと思うと、まるでコンクリートに埋もれたように体が硬くなっていく。

 仕舞いには、自分の意思では指一本も動かせなくなった。