「侵入口を確認する」

 刹那、上空から一機の小型ジェット機のエンジン音が聞こえた。

 身を隠して双眼鏡を手に影を追うと、それはベリルたちが目標としている地点に着陸し、開いた扉から影が一つ現れる。

「見えるか」

 ベリルはアレウスを見やった。

「男だな。随分と偉そうというか、貫禄があるというか」

 アレウスにとっては気にくわない風貌なのだろう。初めて出会ったときと同じ、険のある物言いにベリルは口角を吊り上げる。

 続けて様子を窺っていると、予想していた場所の地面が開いて迎えに出てきた影と一緒に消えていった。

「一つ目の入り口は確認出来たな」

 ジェイクが肩をすくめる。

「あと三つ、探すぞ!」

 クライドが強い口調で腕を上げると数人がそれに応える。そうして、ベリルに軽く敬礼して捜索を始めるためジープに乗り込んだ。