Marvelous mercenary-マーヴェラス・マーセナリィ-

「争いのない世界を望むのは、私とて同じだ」

 それが、非現実的であることを叩きつけられる直中(ただなか)にいたとしても、理想を捨てる気になれないほどには、諦めが悪くてね。

 どこかすかした物言いには、意志を明かした照れくささもあるのだろうか。そんな、人間くさい部分を見た気がしたアレウスは何故だかそれに安堵した。


 ──移動から数時間後

 ベリルたちは目的の場所近く、赤い点が止まった先の一キロメートル手前で停止する。

 カモフラージュのため、ひとまずジープやトラックに砂漠色(デザートカラー)の布を被せていった。