「傭兵に、そこまでの動きが必要なのか」

「それのみではあまり稼ぎはなくてね」

 時には、単独での仕事も受けることがある。そのための訓練とも言える。

 二人はそれにベリルを見やり、さほど鍛えているとも思えない。着やせするタイプなのかと、とりあえずの納得をした。

「傭兵とは、そういうものなのか」

「仕事の受け方にも寄る。私は選り好みが激しくてね」

 説明しながらも、ベリルは二人について考察していた。

 彼らの言動から推測するに、種族の上位にある彼女を護る役割をアレウスの一族が担っているのだろう。

 遠い昔から代々、受け継がれているのかもしれない。彼の言動からは、脈々と受け継がれている何かを感じる。

 彼らが使っている言語にもベリルは眉を寄せた。英語ではあるが、独特のアクセントが見え隠れしている。

 住んでいた大陸が英語であったとは考えにくい。隠れ住んでいる中国の山奥なら、中国語である方が自然だ。