Marvelous mercenary-マーヴェラス・マーセナリィ-

とぼけ続けるのは無理かもしれないと、殴られる覚悟で体を強ばらせた。

「まあいいけど。どうせ、あいつはもうすぐ死ぬし」

「いいえ! あなたなどに、彼が負けるものですか」

 震えながらも強く言い放った少女に、キリアはゾッとするような笑みを貼り付けた顔を寄せる。

「根性とか、気合いとか。そんなの、戦いには無意味なんだぜ」

 耳元でささやき部屋を出て行く。

 ベリルは負けない。あんな人に、負けるものですか。それでもキリアの冷たい瞳に心臓を掴まれたような気がして、この先の煩慮(はんりょ)に組んだ手を握りしめる。

「どうして?」

 どうしてこんな力があるのだろう。誰も幸せになどしないのに。わたしが死んでも、この力が消えることはない。