Marvelous mercenary-マーヴェラス・マーセナリィ-


 ──ミレアは泣きはらして腫れた目の痛みを抑えるため、湿らせたハンカチを瞼の上に当てた。

 泣いていてもどうしようもない事は解っている。それでも涙は流れてしまう。

 そのとき、ドアの開く音がして目を向けるとキリアが相変わらずの、にやけた顔で入ってきた。

「元気かい?」

「何の用です」

「怖いねぇ。別に、盗って食おうって訳じゃないんだからさあ」

 睨みつけるミレアに肩をすくめた。

「わたしを解放しなさい」

「嫌だね」

 そんなに泣いて、目が痛そうだねと顔を近づける。

 子供っぽくも見える笑顔の奥にある鋭い眼差しに、少女は喉を詰まらせた。

「あんた、可愛いね。あいつのことが好きなの?」

「何を言っているのです」

 思いもしない言葉に声がうわずる。