──基地に戻ったキリアはミレアを閉じこめたあと、迎撃態勢を取るために全員に指示を送っていた。
突然、幹部が訪問してきたかと思えば、今度は敵を迎撃しろと命じられ基地にいた兵士は酷く同動揺している。
「はーい。チャッチャと準備よろしくね!」
広いエントランスを見渡せる位置でキリアは楽しそうに手を打ち声を上げた。
兵士たちは半ば呆れて準備に追われる。気まぐれなのはいつものことだが、わざわざ敵を拠点に誘導する神経は理解し難い。
確実に殲滅しなければ、場所がばれたこの基地を放棄するしかないのだから。いや、敵はすでに基地の場所を方々に広めているかも知れない。
連れてきたミレアの身体検査を一切せず、すぐに牢に閉じ込めた。本来なら、あり得ない行為だ。
殺しを至上の喜びと感じている男が、これほどまでに一人の人間に固執し闘いを求めている姿を初めて目にする。
キリアをよく知る兵士たちは、鼻歌交じりの男に恐怖さえ感じていた。



