「仲間の中に裏切り者が?」
「そこまでは解らんが」
お前たちの事を知る者かもしれない。警戒した方がいいだろう。
「──そんな」
アレウスは愕然とした。
仲間だとしたら重大な裏切りだ。しかし、もし仲間が捕らわれて酷い仕打ちによって聞き出したのだとしたら、その仲間はどうなったのだろう。
今も辛い目に遭ってはいないだろうか、殺されてはいないだろうか。
「こんな、力のために──っ」
ミレア様を苦しめる力など、今すぐ跡形もなく消えてなくなればとどれほど願っただろうか。
幼い頃から見守り、お世話をしてきた。自分のお立場が解っておられなかったときは、何故俺たちと同じようにしてはならないのかと泣きじゃくっていたものだ。
「そこまでは解らんが」
お前たちの事を知る者かもしれない。警戒した方がいいだろう。
「──そんな」
アレウスは愕然とした。
仲間だとしたら重大な裏切りだ。しかし、もし仲間が捕らわれて酷い仕打ちによって聞き出したのだとしたら、その仲間はどうなったのだろう。
今も辛い目に遭ってはいないだろうか、殺されてはいないだろうか。
「こんな、力のために──っ」
ミレア様を苦しめる力など、今すぐ跡形もなく消えてなくなればとどれほど願っただろうか。
幼い頃から見守り、お世話をしてきた。自分のお立場が解っておられなかったときは、何故俺たちと同じようにしてはならないのかと泣きじゃくっていたものだ。