「彼女の持つ力も、神から授かったものだと?」

「本当に神からの授かり物なのかは解らない。元々、大陸人が持っていた能力かもしれない」

「そうか」

 神から授かったものだろうが、元々の力だろうがベリルには納得のいく話ではなかった。現実主義者でも幻想論者でもないが、あまりにもの飛躍した話に脳が回りきらない。

 自分から聞いておきながら、やはり目眩(めまい)を禁じ得ない。

 ベリルは頭を抱えつつも、どうにか話を自分のテリトリーに戻すことにした。

「力については良いとして。ミレアの持つ能力を組織の誰かが知っていて、彼女を狙ったという事になる」

 アレウスはそこでようやく、事の重大さに気が付いた。