そうして続く反乱のさなか、

「統率者が──大陸が沈むと預言(よげん)した」

 アレウスの瞳が険しくなり、ベリルはそれに眉を寄せた。

「統率者たる意味は本来、そこにあったんだ」

 災害を予見し、未来を見通す力を有している者が統率者となっていた。

 しかし、多くの者が様々な力を得たことで事故など小さな災害は難なく回避される事が増え、大きな災害も起こってはいなかった。

 それにより、民たちは次第に統率者を必要としなくなっていた。統率者である本来の意味を、民の誰もが忘れ去っていた。

「半数の民が統率者に従わず、大陸に残ったという」

 力を持ったが故に、我らは滅びたんだ。