遠い遠い昔──地上に落ちてきた神は、大きな傷を負ってしまった。

 どんな神であったのか詳細はわからない。ただ、とても赤い髪は長かったと伝えられている。

 男の神で、特に容姿には触れられていないことから、人間とあまり変わらない見た目だったのだろうと考えられる。

 大陸の人々は落ちてきた神を献身的に治療し、神はその礼にと自分の力をいくつか授けると言った。

 世話をした者や臣下たちは自分の望む力を授かり、統率者にはさらに強い多くの力を与えた。

 そうして手厚い看護を受けて傷の癒えた神は人々に感謝して天に帰って行った。