「ベリル! ミレア様はどこだ!? 気配がない。話しかけても応えない」

 キャンプ中を探し回ったのか、息の荒いアレウスが血相を変えて飛び込んできた。

「連れ去られた。すまない」

「なんだって!? すまんで済むか!」

「やめろ」

 ジェイクは掴みかかろうとしたアレウスを制止する。

 それを振り払おうとしたが、屈強な男の腕をそう簡単には引きはがせずベリルを睨みつけた。

 そこでアレウスは、ようやくベリルの状態に気が付く。

「お前──。その腕」

「誰か! ドク(ドクター)を呼んでくれ!」

 ジェイクが声を張り上げて医療経験のある仲間を呼ぶと、他の仲間がそれを伝達していった。