「ぐっ──う」

「言ったろ? お前は、まだ若い」

 痛みで顔を歪めるベリルに目を細め、嬉しそうに戒める。

 髪を掴み、負けた事を思い知らせるために勝ち誇った目を強引に合わせた。今なら、俺の言うことを聞くだろう。

 口を開きかけたそのとき、

「きゃあ!?」

 女の声に二人が目をやると、ベリルの姿に青ざめているミレアが立っていた。だが、青ざめたいのはベリルの方だ。

 キリアの意識が、自分からミレアに移ったのだから──